Friday, February 4, 2011

"She is YOUR patient!"

一週間の、海軍病院での実習が無事おわりました。
朝はCOB (Complicated OB)の患者さんを1~2人診て、回診で症例報告します。
その後はクリニックでのシャドイングやL&Dデックで出産があるまで待機。
でもここでは帝王切開に一度はいっただけ。他の出産にたちあう機会なく。

実は緊急医療の先生が研修に来ていて、帝王切開2件、膣経分娩10件体験しないといけないそうで、全ての機会をおゆずりしました。私はもう2回助産してるし、べつに「絶対見たい」という感じでもないです。だからひたすらスタンバイでした。


さて、今日のタイトル "She is YOUR patient!" について語りたいと思います。

米国の研修医は病院のメイン役者。患者の治療に直接かかわるのがインターンやレジデント達です。それをSuperviseするのがアテンディング。

朝の回診では医学生や研修医がアテンディングに患者さんの状況や、新しい患者さんの症例報告をします。

医学生も分からないことばっかりですが、バリバリに働いている研修医も「どのような診断検査を行うのがベストか、どの治療を選択べきか」迷うこともしばしば。

そこで患者さんの状態を説明しただけで、次のステップを決断せずに困っていると、アテンディングがこんな言葉を口にすることがあります。

" What do you want to do? She is YOUR patient".

「どうすればいいか決断しなさい。あなたの患者でしょ。」

指導員はおろか、医学生にもこの台詞を言うアテンディングもいます。

担当する患者さんに関して、現在までにいたった経過をはじめ、過去の病歴や手術歴、家族の病歴などなど、患者さんに関する全ての情報を把握することが要求されます。
それらの知識がある上で、患者さんに最適なプランを考えなくてはいけない。

回診の症例報告では、「プラン」を提示します。
ここで「プラン」を全く提示できないよりは、少し間違っていても自分の患者さんの「プラン」と自分の考えを述べることが重要です。より良いプランがあればそこでアテンディングが提示してくれるからです。

また診断法や治療法が複数ある場合、"reasonable"なプランであればアテンディングが賛同してくれることもしばしばです。「OOをやる方法もあるけど、君がやりたいならXXでもいいよ」という感じです。


内科ロテのときにお世話になったインターンに言われた言葉を今でも時折思い出します。

「医者は自分の患者のために、決断する責任を負う。自分の決断が正しか、間違っているか、分からないこともある。それでも決断しなくてはならない。医者になるということはそういうことだ」