Wednesday, January 12, 2011

産婦人科外来の症例プレゼンテーション

今日は四人の患者さんに一人で問診させてもらう機会がありました。
全て初診の妊婦さん。

メディカルスクールではM1とM2でComplete history taking and physical exam (一連の問診と診察)をみっちり訓練されるのですが、今回は実習場のクリニックで用意されている、質問表を基に問診を進めるので楽チンですし、質問内容に落ちがないので安心感があります。

さて、問診を終えると指導医のところにプレゼンテーションをしにいきます。

症例のプレゼンテーションはどの科でもやるのですが、各科によってスタイルが少し違います。


現在実習しているMFMの外来、初診のプレゼンスタイルはこんな感じ。

1)患者さんの基本情報(名前、年齢、Race、妊娠歴)
2)LMP(最後の生理日)、出産予定日、現在の妊娠週数
3)患者さんが現在と過去にかかったことのある病気の診断名(特に妊娠に影響のあるもの)
4)このクリニックに来た理由
5)その他重要となる情報

それでは今日診た患者さんの一人を例に、ここでプレゼンをしてみましょう。


ケリー・ブラウン(仮名)、29歳。白人と黒人のハーフ。新規の患者さんです。

G1P0。最後の生理日は2010年9月110日。出産予定日は2011年6月17日。

今日で妊娠17週間と5日。

慢性の鉄欠乏性貧血の病歴があるため、ここに来院。

母親も慢性の鉄欠乏性貧血があり、患者を含め3人の子供は全て帝王切開で出産。



という、かんじです。

プレゼンのあと指導員といっしょに、患者さんの診察室へ。
指導医が私の集めた情報で重要な箇所を、確認のため再度患者さんに再度尋ねます。
そして診察(fundal height、超音波検査、PAP、Pelvic exam等)をして終了します。


実はこのプレゼンは、内科病棟で行われるプレゼンに比べるといたって省略された形です。

内科では現在の患者さんの様子やバイタルを含む基本情報と診察の所見から、細かい検査結果のアップデート、さらには治療方針まで(アセスメント及びプラン)、重要と思われる所を全て述べなくてはいけません。

さらに指導医によって「述べるべき事柄」や「物の言い方」が微妙に違うので、それに合わせてプレゼンを行うのが慣れない医学生にとってはなかなか難しいのです。プレゼンの流れもスムーズにしなくてはいけませんが、指導医が気に入らないと途中で「ちょっとまったああ」が掛かり、医学生は「汗」をかかされます。しばしば「恥」もかきます。でもうまくプレゼンができて、指導医からポジティプなコメントをもらうと本当に嬉しいものです。これを繰り返しながら、アメリカの医学生は「臨床プレゼンの仕方」を学んでゆくのです。

すでに内科ロテを経験しているので、今日の産婦人科外来のプレゼンはいたってシンプル。外科もプレゼンが簡素だと聞くのですが、その話題はまた外科ロテが始まるまでのお楽しみにとっておきましょう。

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